<Only you>


ムクリと起き上がり、隣に眠る彼を見る。
透き通るような白い肌は、とても綺麗で事情中は更にその色気を出している。
受身な自分は健康的な象牙色。

アスランは綺麗だよというけど、僕はアスランのほうが綺麗だと思う。
肌も笑顔も性格も何もかもが。

闇夜に慣れた目はうすらと彼が今だ起きる気配はないと見えた。



「もう、いいよね」



自分自身に言い聞かせるように呟いた後、キラはベッドからアスランが目覚めぬようソッと起き上がった。
先までしていた行為が行為なだけに多少腰が痛いがそんなこと言ってはいられない。


“アスランの側を離れる”



そう決めたときから。








今の関係に満足していないのではない。
むしろ、逆で満足以上のものがあるのだ。
だからこそ、ここにはいられない。

ほんの少しの理性が危険だという。
今の関係が可笑しいのだと囁く。

僕を好きなアスランはいつか周りを壊してしまう。
確かな確信があったのだ。


妹を殺してしまう。

歌姫を殺めてしまう。








(“そんなこと”。誰が死のうがアスランの側にいられるのなら別にいいじゃない     




囁く声に頷いてしまう自分がいた。

そう思ったら怖くなったのだ。


僕が幸せになってしまったら皆の幸せを奪ってしまう。

自身の“力”とアスランの“力”を持ってすれば世界を潰すことなど造作ない。

2人で幸せに暮らしたいけど、これ以上人の生を失いたくない。









見つめる先に眠る彼に一度啄ばむキスを送った。





「バイバイ、アスラン。」


最後にもう一度笑顔が見たかった。

“キラ”と名前を呼んで欲しかった。

“ごめんなさい”謝りたかった。



でも、謝らずに行くのは最後のアスランに対しての我侭だ。








恋を捨てることができないから、愛を失いたくはないから僕をただ見守ることを選ぶ。

選びたくはなかった選択。


「      」


ずっとずっと君のことを....







+あとがき+
今年最初が悲恋ものですかって言われそう...。
言葉数少ないうえに、アスラン眠っていてすみませんw
アスキラコンビが本気を出せば世界を滅亡へと追いやることができると思うのは私だけでしょうか?
そりゃ、種のアスキラコンビだったらギリギリだろうけど、運命のアスキラコンビならキラ様だけでどうにかできそうだと思ってしまいますw
最強キラ様もいいんだろうけど、二人で力をあわせて最強になるアスキラが一番いいのです。

20060101