アスランが死んだ。

そう聞かされて、僕はどう思ったんだっけ?









<from now on 〜 K ver〜>









何で、自分が今生きているのか不思議でならなかった。

戦争は、地球軍の勝利で終わった。

ザフトは、いやコーディネーター全てが今ナチュラルによって生かされている状況

であると言っても過言ではない。

プラントは壊され、地球軍によって害をなすものではない者だけ地球へと

移り住むことを強制させられた。

害をなすものは全て、地球軍の手によって殺されたのだ。

見せしめのように皆の前に、一昔前の火あぶりのごとく悶え苦しみ殺された。

それはザフトに身を置いていた全ての者も。







唯一、地球軍に身を置いて戦っていたキラだけが何事もなかった。

むしろ、『英雄』として称えられた。

だけど、反対に『裏切り者』と罵る輩(やから)もいた。







戦争が終わり、キラは何不自由ない暮らしをしていた。

金も名誉も全て、キラは持っていたのだ。











だが、それは建前で、常に監視がついていた。

一人になる時間なんかなかった。

時間に縛られて、国家に縛られて。



















哀しみにくれる暇もなく、

だから、







逃げたんだ。





























逃げ出したんだ。











逃げられなかったのは周りの視線。





そして、彼のせい。











『何があっても、生き残るんだ。』











そう約束したから。





そんな約束なんて何でしてしまったんだろう?





戦時中、何度も何度も交信してきてくれた。

時には、涙してついていきたくなる時だって一度や二度ではない。

だけど、友達の顔が頭から離れなくていい出せなくて







拒み続けていた。





それは、ある種プライドも入っていたのかもしれない。





ある時、ラクスを帰すとき、アスランは言った。





『何があっても、生き残るんだ。』





「一人は寂しいよ、アスラン。」

周りにどれだけ皆がいたって君がいなければ意味がないのに。





どうして死んだのさ?



僕を残して



一緒に、



ずっと一緒にいてくれるって約束したのに。





涙がかれてしまった。

泣くことを許されなくなったような気がした。







皆は僕のことを強いというけれど、全然強くないんだ。

アスランがいたから、僕は強くなれただけ。

アスランがいないなら僕は弱いまま。







だから、逃げた。

皆がアスランの存在を忘れさせようとするから。

僕からアスランをとったら何が残ると思っているの?

「ねぇ、アスラン大好き。」

君が想っている以上に、僕はアスランを愛しているんだよ。

『生きろ』

と君は言うだろうけど、

「僕の居場所は君のもとだけなんだよ。」

だから、どうか

君の場所へと僕がいくことを許してほしい。

最初で最後のわがままだから。

怒られるのは、目に見えているけど君といられるなら別にいいや。

ねぇ、アスラン。

君を愛しているよ。

















+あとがき+
実は、タイトルが同じもう一つのほうのverとは対にアスラン死にネタです。
アスランのほうは、生にしがみつき何が何でも生きるという選択をとるのですが、
キラは、アスランが一番大事で彼のもとへと飛び立ってしまう話にしようと。
他の誰よりもアスランのことが大事だからアスランのいない世界に自分は
いらない。アスランの居場所が自分の居場所だと。
独占欲の強いキラを書きたかったんだけど、独占欲とはまた違った形です。
いっ、意味の分からない文に...(何を今さら






20050207