Thought




<Thought>












満月もない暗い暗い空。

窓も閉めずときおり風が吹く。

ただ、二つの影がかさなりあった。

彼女の名を呼ぶ。

彼女も彼の名を呼び返す。

そして彼らは更にかさなりあった。

軽く彼がキスを送る。





いや、送ろうとした。



それでも、駄目だった。

彼は彼女から身体をずらしベッドの端へと腰をおろした

「キラ?」

前髪をクシャっと右手で押さえるキラに彼女は身体を起こしてたずねる。

「大丈夫?」

「うん。ごめんね、フレイ」

フレイはフルフルと首を横に降った。

本当に心配してくれる瞳にキラは泣きそうになった。

「僕は君が好きだよ」

それは、偽りじゃない



けれど



「僕は君を抱けない」

いくら、彼女を好きでも彼女を抱こうと思うたびに彼の顔が浮かび上がってくるから。

今では、虚ろになってきている君の顔。

忘れたくないのに人の記憶は少しずつ少しずつ忘れていく。

それでも君が一番好きで、それは変わることなく。

だからこそ、

抱き方なんて知らない

知りたくない

君を忘れたくないから

瞳を閉じて思い出すのは君の笑顔だから

「ごめんね」

謝ることしかできない自分

「バカね、キラは。」

本当に不器用な生き方しかできない彼。

「私は、そんなキラにつけ込んでいるだけなんだから」

謝らないで

謝らなければいけないのは私なんだから

弱みにつけ込んでいるのは私だから

「フレイ.....」

優しさを、自分だけに見せる優しさが心地よい。

フレイはキラの頭を自分の膝にのせ赤ん坊をあやすようにそっと頭をなでる。

「眠いのでしょう?眠っていいのよ」

「うん、ごめんね。おやすみ、フレイ」

「おやすみ、キラ」

永遠の眠りにはつれていけないけど束の間の眠りで彼に会えるように

全てが彼の望む『夢』だとしても

「好きよ、キラ」

キラの一番が一生自分じゃなくても

「大好きよ」

私は貴方を思い続けている






























+あとがき+

テーマは『世界の中心で愛をさけぶ』だったりします。
話しがよく分からないと思うので補足。
戦争でアスランが死んでフレイが生きているのです。
で、結局あのままキラとフレイは平行な状態のまま今も一緒に生きている。
だけど、フレイはアスランの存在を戦争のあとキラからしらされているけどそのままキラと共にいるのです。
補足ないと分からない話ですみません。
ちなみに、キラはアスランにもう頂かれていますので...(爆)
きっと、別れ際に?
と、いうか今さらなんですがキラ...フレイと関係もっていたじゃん。
......んじゃ、フレイと関係もった後にアスとどこかで会ったということで!!



20041010