<スガリ草>












『何がほしい?』



その問いに答えは僕の中でひとつしかなかった。

『アスランと共に生きる時間』

それ以外は何もいらなかった。

欲しいとも思わなかった。

だって、その欲しいもの以外は自分で実現できるものばかりだから。

真剣な瞳。

だけど、穏かな微笑みを向けながらキラはアスランにそう答えた。

そんな嬉しいことを言ってくれるとは思わずアスランは一瞬目を丸くしたが、すぐにその表情を

微笑みにかえた。

いろいろと言いたかったけれど

「ありがとう。」

きっと、言葉では言わなくても伝わるから。

伝わっているであろうから。

それはお互いがお互いとも。

だから、感謝の言葉と満面の笑みで返すのだった。

その満面の笑みは自分にしか見せない最高の表情だとキラは最近気付いた。

嬉しさと照れのためキラは頬を染めながらもアスランの笑みにキラも微笑みをアスランに返すのだった。

アスランはその笑みにドキッと感じたのか

「キラッ!!」

押し倒した。

あぁ、前にも一度あったなぁと、どこか他人事のように思いながらもやはり抗議するために今にも

服を脱がしかけそうな勢いのアスランの手をとる。

「何する気、アスラン?」

「あ〜いうこと。」

語尾にハートマークがついても可笑しくないような嬉しそうなアスランにキラはため息をついた。

「キラバカって言われても可笑しくないはずだよ。」

「それは、オレにとっては褒め言葉だな。」

キラの呟いた一言にアスランは2人しかいない部屋にも関わらずキラの耳の辺りまで口をもっていき

そっと囁いた。

そんな状態のアスランに何を言っても逃れれることはないだろうし、逃れる理由もキラにはなかった

ので静かに力をぬき身を委ねることにした。








『スガリ草』=私は、貴方を喜ばせる

20040910