<オリーブ草>

アスランの一日はここから始まる。


朝食の準備は作り終わった。


今日も、キラの好きな洋食のパンとサラダにフルーツ。


そして、




『アスランよりいつか大きくなるんだ!』




と宣言してから飲み始めている牛乳。


後はキラを起こすだけ。


2階へと上がり共同で使っている寝室のドアを2、3回軽く叩く。


だけど、反応はない。


中へと入ると起きた時にはあけておいたはずのカーテンが閉まっていた。


きっと眩しいからと閉めたのだろう。


閉めるくらいなら起きればいいのにと思うが、いつものことなので再びカーテンを開き、


うす暗かった部屋に光をあててやる。


「んっ....」


眠っている彼は、一つ呻き声をあげもぞもぞとふとんの中へと隠れる。


そんな彼をかわいいなぁと思いながらもアスランはふとんを捲りあげる。


「キ〜ラ、起きなよ。」


「ん〜」


だけど起きる感じは一つもない。


ただ、返事かもよくわからない声をあげるだけ。














「キラ!キ〜ラ!!」


何度呼んでも起きる気配がない。


肩を揺らしても大きな声で呼んでも。


アスランは一つため息をつく。


仕方ない。


最終手段にでるためにアスランはキラの耳元へとそっと息を吹きかけ


「キラ、いい加減起きないと襲うよ。」






ガバッ






目はきちんと覚めていないはずなのに。


起きたキラにアスランは嬉しいのか悲しいのか複雑な気分になる。


そんなことをアスランは顔には出さずに眠たい目をこすりこすりと可愛らしく目を擦っている


キラの頬に軽くキスをする。


「おはよう、キラ。」


「んっ、ぉはよう。」


キラもお返しのようにアスランの頬へとキスを送りニコッと微笑む。


「っ、キラっ」


その微笑みにアスランはガバッと抱きしめベッドの中に押し戻した。


「ちょっ、アスラン重い。」


キラの抗議の声にも耳をかす気は一つもない。


「キラ。」


「っ・・・・・。」


朝から何て色っぽい声を出すんだ、この男はと不覚にもトキメキながらも押し返す。


「起きるからどいて!」


「い・や。」


キラの抗議の声に満面の声でアスランは返す。


キラが唖然としているのをいいことにボタンを外そうとしている


アスランが最後のボタンを外し終える前にキラは気付きアスランを精一杯つき返す。


「さっさとでていけ!」


キラが半場キレていること気付きアスランはあっさりと諦め、降参を表すかのように両手をあげる。


「着替えるから出ていって!!」


「はいはい。」








それは、彼らが平和を手に入れてからの日常風景。








『オリーブ草』=平和

20040901