黒キラ。



「邪魔だというのが分からないの?」

「っ!?」

隣にいるのは自分なのだ。
それが、つい最近自分と双子だと言われた黄色い髪をした少女に取られるというのか。


「何?ウズミさんを助けることが出来なくて、その上彼女たちさえも救えなかった君にアスランが任せられるとでも?」

彼女らとは、若きアストレイの搭乗者。
姉のように、カガリを見守っていた三人の女性。


「あっ....。」

「アスランは渡さないよ。誰も守れない口先だけの偽善者ぶった君なんかにはもったいなさすぎるよ。」


立場を考えなよ。

クスクスと笑うキラに何も言えない。

目許に涙が溜まってくる。




「泣けばすむと思っているの?事実を言ったまでなのに。まるで、悲劇のヒロインぶっているみたい。やめてよね。
戦争を分かっていない君がいう言葉なんて信じることなんてこれっぽっちもないんだから。」


泣いてすむことじゃないことなんて分かっていた。

だけど、自然と出てくる涙を止めることなんてできない。

絶えようと絶えようとするたびに、涙が溢れてくるのだから。




「キラっ」
そんな緊迫とした中に、キラの名を呼ぶ声が聞こえた。
二人が振り返った先には、話の中心であるアスランがいる。
「どうしたの、アスラン?」
先ほどの口調とは明らかに正反対で、カガリは怖く感じた。
「マリューさんが、俺とお前とカガリを呼んでいるみたいだから探しにきたんだ。何か用事があるそうだ。」
「そっか、じゃあ行こうか。」
アスランの隣に当然のように立ちにこやかにキラは微笑む。
アスランは、カガリのほうへと声をかけようとしたのだが、

「カガリ。」

驚いた声でいかぶしげに名前を呼んだ。
目に涙をためている彼女は見たことがなく驚きの声も混じっていたと思う。
だけど、それにキラは喜ぶわけもなく。
彼が双子の片割れの名前を呼ぶのが許せなかった。
名前を聞くだけでも嫌だ。
それがなおさら自分の好きな彼が発した言葉だと考えると嫌気を通り越して嫌悪さえ感じる。
アスランに気付かれないようにキツく睨まれる。
「何でもない。先に行っていてくれ。」
「ほらっ、アスラン行こう」
片腕を組まれ自然と足が引きづられる。
カガリを気にしながらも、チラチラと2.3度振り返ったが何も言わず最終的にキラと共に歩き出した。
二人が楽しそうに笑いあっている姿を見て胸がズキンと痛む。
後ろを一度だけ振り返られ、微笑みを向けられた。
自分がアスランの側にいることを許されるんだよとでも言いたそうな満面の笑みを浮かべていた。















黒アス。


「歌うだけで他に何が出来るのですか?」
嘲笑う笑みは、婚約者としての名ばかりの関係のときには見たこともない見下した言い方。
「半端なことしか成し遂げられない貴方には言われたくありませんわね。」
皮肉めいた言葉で言い返した。
確かに自分のできることは、歌を歌うだけ。
一瞬の安らぎを与えるだけ。
だけど、それだけでも出来るのだから、
皆の前に立ち、少しでも心が癒されるのならば。



地位も権力も彼には勝てない。
たとえ、周りから同等だと扱われても『ザラ』が『クライン』よりも上の立場なのは変わりない。
プラントにいるならば、『ザラ』は絶対的の権力を所持しているのだ。
「そうですね、私は半端だと思います。ですが偽善めいた言葉を発することしかできない貴女。
歌声で癒すことしかできない貴女の、その細い首を潰してしまえば貴女は何もできないではありませんか。
力のない貴女より私は貴女より出来る。私はそう自負していますよ。」
戦う力もない、か弱き少女。
脅える素振りを見せずりんとした声で発する声に少々の怒りを感じたが表には出さずに言葉を返した。
それは、軍に入ってからみについた行動。
いや、軍に入る前から表に顔を出さないようにと、幼い頃から教えられていた。
相手の表情を見て、それ相応の返事や表情で返す。
それが当たり前だったのだ。
でも、そんなアスランが心を許せるただ一人の人。


      『アスランっ』


笑う顔は、幼い頃から周りにいた汚い大人たちの笑みや好意を抱く女性たちの微笑みとは全く違う純粋な表情。

その笑った顔にどれだけ救われたか。

その笑顔を守るためならば、
たとえ己自身血に染まろうともかまわないのだ。

「キラは私が守ります。戦う力のない貴女にキラは絶対に渡しませんよ。」
勝ち誇った笑みでアスランは笑った。





▼あとがき▼

別に、クラインが嫌いではありませんよ(説得力なし;;)
ただ、女々しいラクスが嫌いなのです↓↓
姫様もそうだけど、ラクスも戦う場所は戦場じゃないはずです。
守る相手は、キラではなく歌を歌うことによって救える人々です。
キラを守るのはアスランなのです!(アスキラ好きの主張)















強さと弱さ 儚さと脆さ


「何やっているのさ?」


シュッと扉が開いたかと思うと声が聞こえた。
振り返らなくてもこの部屋に入るには専用のパスワードが必要なためパスワードを知らないものには困難だ。
いや、その前にこの部屋の住人に面会に来ようなんぞ思うものは数少ない。
その数少ないものの内に入っている彼、キラは当たり前のようにパスワードを入力し部屋に入ってきた。
「見て分からない?」


今だ入ってきたのに、視線を向けないで何かに集中している部屋の住人にキラはムッとしながらも彼の隣へと向かう。
集中しているものは、小さなモバイル。
画面を横から伺うと、
「あぁ。」


納得のもの。


「終わりそう?」

「もう少しじゃない?」

たまに、キーボードを打ちながらも画面から目を放さずに言葉をはなつ。

「楽しそうだね、アスラン。」

「まぁね。」
部屋の住人、アスランはどこか嬉しげのある声調に深く深く笑みを浮かべる。

「これで、終わるかと思うと清々するかな?」

「ふふっ、良かったね。」
本当に嬉しそうな笑みを浮かべるキラにアスランはやっとキラへと視線を向け軽く胸を押す。
そして、覆いかぶさってくるアスランにキラは一言。
「いいの?」
額へ頬へと顔中に降らせるキスにくすぐったそうに笑みを浮かべる。


抵抗しようとは微塵も思っていない。
「あぁ、後はオートにしておいたから。」
そういうと、本格的にアスランはキラを押し倒した。















質問(アスランver)


『好き』の感情について...
アスラン氏の場合
注意・このサイトのキャラ直談

Q.貴方にとって元婚約者でもある『ラクス』に対して『好き』か『嫌い』か?
A.『好き』の類に入るな

Q.上記の問いに対して何故そう思うか?
A.ラクスの考え方はやはり考えさせられる点がある。見つめなおすことが多いな。
それに歌姫である彼女を嫌いという輩はいないだろう。

Q.公式ノーマルCPの相手『カガリ』に対しては『好き』か『嫌い』か?
A.『好き』だな

Q.上記の問いについて詳しく話せ

A.急に口調が変わったな

Q.気のせいでしょう(微笑)

A....そういうことにしとくか。カガリはキラの姉なのだから当然だろう。
例え、口調が男っぽくてガサツで百歩譲ってやっと女らしくみえる相手であろうとも。


Q....愚痴に聞こえるのですが....
A.それこそ気のせいだろう(大らかな微笑)

Q.それでは、キラは貴方にとって『好き』か『嫌い』か?
A.『好き』か『嫌い』かと問わられれば『好き』だな

Q.何ですか、その答えは。
A.俺にとってあいつは『好き』よりも『愛している』のほうがあっている

Q.何とも恥ずかしいことを、よくも真顔で。では、何故そう思うのですか。
A.最初、『ザラ』という名に驚きはしていたがそれでも名を気にせずに共にいてくれたことが嬉しかった。 キラがいると本当の自分を出せるし相手もそれに答えてくれる。 長年共にいたからというのもあるかもしれないがキラがなにを考えているのかオレがなにを伝えたいのか自然とそれを分かってくれるキラが愛しい。

Q.これで最後です。
『好き』と『嫌い』の境界線を貴方なりに教えてください。
A.『好き』は相手のことを守ってやりたいと思う心。
『嫌い』は相手に対して憎しみや憎悪を抱く感情。
Q.ありがとうございました。




前に、拍手のほうに載せていたアスランに質問。
考えたのは、私です。
多分、そのときのアスランの印象はこんなの;;